親も、それを知ってか知らずかは分からないが家族揃ってここに引っ越した。
最初は引っ越す事をいやがってたあたしも、今ではここに来て良かったと少しだけ思う時がある。
「ひゃっ…!?」
頬に冷たいものが当たって、思わず変な声が出た。
「れ、玲音くん…」
「ごめんごめん。そんな驚くと思わなくて」
クスクスと笑う玲音くんに、差し出されたジュースを貰う。
若干見惚れながら。
「なに?」
「や、何でも…」
ぱっと目を逸らしてジュースのフタを開けた。
「いただきます」
「どーぞ」
ゴクゴクと飲みながらふと疑問が浮かび上がった。
あれ…、何で玲音くんここに居るの?

