キミへ



ここには、授業という授業はあまりない。

もう先生たちも自由にやってくださいって感じだ。

だから、今日1日見事に学校祭準備に費やされた。

あたしも一応手伝ったけど、途中で面倒くさくなって止めた。



「怜衣ー! どさくさに紛れてサボんなー!!」

「やべっ」



でもたまに、サボりに怜衣くんや千嘉ちゃんが来たけど雅ちゃんに連れ戻されてた。



「………。」



楽しそうに笑って、ケンカして、言い合って……。前のあたしなら何もかも考えられなかった。

笑う事も、ケンカする事も、言い合う事も。

すべてに臆病になってるあたしには、純粋に笑う事なんて出来なかった。