キミへ



「杏菜のメイド服姿、写真に納めないとさぁ?」

「納めんな、キショイ」

「ははは」



テレビを見ながら今度はあたしが何をやるのか來亞に聞いた。



「俺んとこはねぇ」

「………何よ」

「喫茶店」

「嘘つけ」

「ほんとだし」



苦笑いして言う來亞にあたしは視線をテレビかららいに向けた。



「絶対喫茶店の前に何か付くでしょ」

「付かないよ」

「…………」

「………」



しばらくの無言のあと、らいが静かに『コスプレ…』と言った。



「やっぱりね。そーだろうと思った」

「なら聞くなよ」

「言わせたくて」

「杏菜ってたまにS入るよね」

「來亞の前だけね」

「嬉しいような嬉しくないような……」



そんな複雑そうな表情をしていた。