−怜衣side−

文化祭以来、杏菜に避けられる俺。

俺、何かしたっけ？

その杏菜の行動が何を意味してるのか分からずにいた。

けど、だんだんとわかったような気がする。

玲音と喋ってる時の杏菜。

すげぇ楽しそうだったから、俺は杏菜が好きなのは玲音だって、思った。

玲音も、杏菜のこと好きだから両想いなんだと思う…。

俺だって杏菜が好きだし…、玲音になんかとられたくねぇけど……

杏菜が…選んだなら、仕方ねぇし…



「……っ」



失ってから気付くもの

それほどまでに俺は杏菜が好きだったんだって、改めて思った。

文化祭の時、あの時俺が言ってれば玲音なんかにとられなくてすんだかもしれない

今さら後悔したって遅いから、だから、俺は帰り際に杏菜に言ったんだ。



「俺、杏菜が好きだよ」




−怜衣side end−