キミへ


「杏菜って何でこの学校来たの?」



……やっぱ聞かれると思った。



「は? 何言ってんの雅」

「杏菜は親の転勤で来たって最初…」

「それもあるだろうけど、違うよね? 杏菜」



どうして、分かっちゃうんだろうね? 雅には。

全部、雅様にはお見通しですか…。



「何かアタシ達に隠してない?」

「……あるねぇ、隠し事」



ふふっ、と笑ってパフェを見つめた。



「何を、知りたい…?」

「じゃあ最初に、杏菜は何者かな?」



あたしとおんなじ質問ね…。

まあいいや。どーせいつか言わなきゃいけなかったし。



「あたしは間宮杏菜だけど?」

「じゃなくて………。ん? 間宮?」

「うん、間宮」



聞いたことあるような、って顔する雅に千嘉が言った。



「間宮…、あの大手企業会社の…?」

「それもある」

「もしかして、ファッション関係のデザイナーは…」

「お母さんだね」

「建築デザイナー…」

「父さんだね」



4人は学校が響くくらい大声で叫んだ。