キミへ


「ふぅ…」

「杏菜ちゃん」



そう呼ばれた方を見るとパフェを持った小杉くんがいた。



「あ、何?」

「これ食べなよ」

「え? お客用じゃないの?」

「いんや? たまたま帰って来んの見えたからさ?」



『疲れた顔して』とプラスされて言われた。

ひゃわー、あたしそんな疲れきった顔してた?



「あ、ありがと…。なんかゴメンね?」

「いいよ別に。じゃ行くな?」

「うん、ありがと。頑張ってね?」

「おう」



にかっと歯を見せて笑って教室に行った。

…ほんと、うちのクラスってイケメン揃いだ…

そのなかでもトップは怜衣達だろう。

あー……、あたしいっつも浮いてんじゃね?



「いただきま〜す」



パクッと一口パフェを食べた。



「ん! おいし」



すると、ガラッとドアが開いた。

そこからまぁぞろぞろと前半の人達が入ってくる。

つかあたし一番乗りだったんだね。