キミへ


「杏菜ー」



ナイスタイミング葉月!!

あたしはにこっと笑って立ち上がった。



「すいません、指名入っちゃったんで〜」

「いいよ〜、じゃ次は千嘉ちゃんって子がいいなぁ」



こんのタラシ男供が……。



「了解しました〜」



ったく。接客なんてしたくなかったのに…裏方でいいって言ったのに…!

ちくしょう……



「千嘉ちゃん指名入りました〜」

「はぁい」



あ、さっきより元気無くなってる…。

流石の千嘉でも疲れるか……



「はぁ…」

「お疲れ」

「もーヤダ…」

「はは。」



葉月は疲れた素振りなんて全然見せない。



「疲れないの?」

「女の子は慣れてるからね」



…ああそっか。コイツ、タラシだったわ…。



「ま、前半はあと20分で終わるから頑張りなよ」

「なげーし…」

「まぁまぁそう言わずに。俺指名入ったから行くな」

「ん、いってらぁ…」