キミへ


雅のその声に驚いて、ピョンと立ち上がった。

そんなあたしの行動に玲音はキョトンとしていた。



「ふっ…。行こか?」

「う、うん…」



玲音の微笑にどぎまぎしながら立ち位置につく



「杏菜?」

「ん?」

「スマイルスマイル!!」



ニィと笑う千嘉が可笑しくて笑った。



「そうそう! 杏菜には笑顔が一番だから」

「あ、ありがと…」



まさか女の子にこんなこと言われるなんて思ってもみなかった。



「開店しまーす!!」



その声を合図にドアは開いた。



「「「「「いらっしゃいませ!!!」」」」」」



笑顔が取り柄のホストにようこそ!!!



「千嘉ちゃーん、指名!」

「はぁーい!!」

「雅ー!! 指名〜!」

「はーい」



次々に指名されて、お店は大繁盛だった。



「怜衣くん指名でーす!」

「あーい」

「玲音くーん! こっちお願い!!」

「りょーかい」