キミへ


ムカつくムカつくムカつく女。

開店まであと1分。



ガラッ

「あ、杏菜!」

「遅かったね……、ってどした?」

「別に…」



寄ってきた千嘉とイタチを避けて窓際に行った。

やっぱ、関わるんじゃなかった。

父さんが下に関わるなって言ったのはこーゆうことだったワケね…。



「杏菜? 何か、あった?」



玲音が心配そうな顔をしてあたしのところに来た。



「………はぁ」

「ちょっと。俺の顔見て溜め息つかないでよ」



苦笑いして隣に座る。

もとは、玲音の話からあっちにいったんだっけ……。



「……かっこいいって、罪だよね…」

「はぁ? 杏菜、大丈夫?」

「別に大丈夫だけど」

「オーラがすごい」

「どんな?」

「怒り?」

「聞くな。」



まぁ確かに怒ってるけどさぁ。

変なお客、来てほしくないなぁ…。

手、出しちゃいそうで。



「みんなー! 立ち位置ついてー!!」