キミへ


怒られるのはパス。でもやりたくない。

てか絡まれたくないのが本心だし。



「杏菜ちゃあん」



そう天沢エリカに呼ばれた。

…ちょこちょこ走るの、可愛いけどあたし的に千嘉がよかったなぁ…なんて。



「このリボン、後ろに付けたいからいーかなぁ〜?」

「いいよ〜」



ホントは、背後にダレか居るの嫌いなんだけどね……。



「はい、出来たぁ」

「ん、ありがと」

「んーん〜。ねぇ杏菜ちゃん」

「何?」



上目遣いをしてあたしを見てくる。

……ねぇ、吐いていいですか?

しかも、ここ思いっきり廊下だから誰も居ないし……。



「杏菜ちゃんわぁ、怜衣くんと玲音くんと龍くん、それからイタチくんの中で誰が好きぃ?」



……………は?



「エリカ的にはねぇ? クールな玲音くんが好きなんだけどぉ…。杏菜ちゃん、誰が好き?」



何を聞いてくるのかと思ったら………