夜中の12時になる前、 わたしは確かに 自分の部屋にいた。 おんぼろアパートの 一番安い部屋に。 両親のいないわたしは、 学費を払えず高校をやめた。 それから毎日働く日々。 年頃の女の子の唯一の服は おばあちゃんがつくってくれた クタクタの黒ワンピース。 一文無しの 可哀想な少女。 暗い夜にひとり 17歳を迎える ハズだったのに。 …12時になった瞬間、 目の前には 美しい花園が 広がっていた。