「……おい、お前が天使のユラか」
後日、夕日が沈みかけた時間に
怪しい黒ずくめの男が、私に問うてきた。
「な、何で私の名前を知ってるんですか?」
黒ずくめの男は、私の質問に答えず、
「アラン王子が貴女をお呼びだ」
え、アラン王子?何か聞いた事あるような…。
どれだけ考えても思い出せないので、
黒ずくめの男に聞く事にした。
「あのー、アラン王子って…?」
すると、彼は顔色ひとつ変えずに
「ヴァンパイア界の王子だ」
…ん?今、“ヴァンパイア”って言った?
「ヴァンパイアですか?」
すると彼は首を縦に振った。
えー!な、なんでヴァンパイア界の王子が
私に?
「あの…どういう理由でですか?」
私は、理由が凄く気になっていた。
「アラン王子は貴女を“メイド”にすると
決めた」