同じようにかわされて、足掛けをやられる。二度の繰り返しだった。
「いーっ」
頬の土を払いながら、痛みを我慢する。
「くそ、ここまでの屈辱は初めてだ。どうやら封じられし右目――魔眼を使うときがきたか……」
よろりと立ち上がって、右目を押さえる。
「ふっ、すげえよ、お前。俺を本気にさせたんだからなぁ。――ああ、そうだな、マルコ。粉微塵にしても収まりきらねえ、一つしかない人間の命だが、その罪、万死に値する!」
だから一つの命でどう万死もやるのかと、聞いているとツッコミたくなるが帝はお構い無く、右目に覆い被さる手をどけた。それこそ、大げさに。盛大に。


