「狐じゃねえ。今の体(器)の名は鶴瓶帝(つるべ・みかど)だ!帝様と敬え」
「狐のくせして、大層な名前じゃねえか。俺は霞林太郎(かすみ・りんたろう)だ。クソジジイじゃねえぞ」
「てめえなんかクソジジイで十分だ!離せ、こら!」
林太郎から距離をとり、がるると威嚇した。
やれやれと林太郎が、呆れている。
「どこまでも余裕面しやがって、クソジジイ。――ああ、マルコ。少し本気を出すときが来たようだな」
古傷が疼くぜ、と無傷な右手を左手で押さえ始める帝。
「拘束解除!いくぜえぇぇぇ、悪魔よ、我が声に答えろ!」
「……」
「…………。はれ?んだよ、ちくしょう。空気読めよマジで!夢なんだからちょっとぐらいいい思いさせろよな!」


