言っておくが、帝は14歳だ。相手たる侍たちは明らかにおっさんだが、夢の中とあってか帝の態度はでかかった。


ちっ、ちっ、ちっ、と人差し指をたてて、蔑むように相手を見る。


「百年はえぇんだよ。出直してきな」


百年も生きてない奴がいうセリフである。


帝のあまりの態度に、侍たちのこめかみに怒りマークが出たよう。


「生意気な小僧め」


「面妖な服を着てからに、さては狐が化けたな!」


「はっ、狐だと!聞いたか、マルコ、狐だってよ!」


マルコとは帝の中の住人である。んなものはいるはずないが、帝はいると確信している。


「笑いおって、不気味な」


「ええい、切り捨てるぞ!」


刀を抜く侍。一瞬、どきっとしたものの、これは夢なんだから大丈夫じゃん、とプラス思考になる。