困った話だよと男は呟く。


「捨て物ね。ひどい召喚師ねー、呼んだものはきちんと返さなきゃいけないのに」


「捨て物かぁ、嫌な響きだね。俺、もとの世界に帰るかな。お姉さん、できる?」


「もちろん、召喚に関してはエキスパートですものー。送還だってお手のものよ。時間はかかるだろうけど」


「じゃあ、ちょっと試してもいいかな?」


「試す?」


「並の召喚師じゃ、俺を戻せない。下手すれば、世界の狭間をさ迷うはめになるかもしれないからね。その実力、試させてよ」


「大団円では終わらせてくれないのねー」


やはり困ったわー、と頬に手を置いてしまった。