答えを聞く前に、彼女はビギナーを担いだ。


重そうながらも、確実に移動する。


てくてくとついていけば、街の外――ゴミ山ばかりの汚い場所にやってきた。


休む間もなく彼女は歩く。と、とてつもない匂いをかいでくしゃみをしてしまった。


「ここにいろ。きついだろ」


そう言われてもきになるのでついていく。


彼女が止まった先には、大きな水だまり。


もとは池だったのだろうが、ゴミやら何やらで沼と相違なかった。


ビギナーを地上に置くなり、彼女は手頃な粗大ゴミにロープを巻いて、それをビギナーの体に巻き付ける。


どぼん。

後は簡単。沼もどきにビギナーを投げ入れた。


……彼女の冷酷さを知る。


いくら生き返るといっても、ここまですればもしかしたら死ぬかもしれない。水の中では、死に続けるしかないのだから。


「かわいい呼ばわりしやがって……」


「……」


ああ、ここまでする理由はそれか。


実際に彼女は可愛いというのに、変なの。