遠くなったビギナーを見計らい、彼女はパンドラの箱からあるものを取り出した。


音響閃光弾(スタングレネード)。


凄まじい音と光で、敵を麻痺させるというそれの用途は決まっている。


投げた。

見事な弧を描いて、ぽとりと落ちただろう。予想でしかなかったのは見もしなかったから。あれは目に毒だ。かっ、と遠方からなる音を聞き、やっと見れば、ビギナーが倒れていた。


近づけば、気絶しているらしい。


「ふん、ざまあない」


最終的に、彼女は、ビギナーの意識さえも殺したのだった。


しばらくは起きないだろう。どうするの?と、彼女の足元にすりよる。