「ごめんなさいねー。お姉さん、ガード固いからー」


「先生かな?へえ、生徒を教えるだけあって魔抗高いね」


納得したかのように男は言う。


魔抗。魔術に対する対抗のことだ。


3+を弾けるとなれば余程の実力者。


「いいねえ、先生の体液は美味しそうだ」


「体液?血液ではないの」


「俺、吸血鬼もどきだから。ある奴は吸血鬼の劣化、吸血獣とか言ってたけど」


「体液が主食だなんて卑猥ねえ。ますます野放しにはできないわ」


とん、杖で土を叩く。


「いったいどこから迷いこんだのかしら?吸血獣だなんて、この世界にいないはずだけど」


「召喚されたんだ、でも、悪魔じゃないからいらないって捨てられたんだよねえ」