ティーが不利に見えたが。
「調子づくなよ、赤髪が」
瞬間、ティーがパンドラの箱ごと男に突進した。
思わない反撃に男は押される。その隙に、ティーは大きくパンドラの箱を上空に投げた。
空になった右手でバタフライナイフを持ち。二回ほど男に踏み込んだ。
ガッ、ガッ。刃と刃がかち合う音が響く。
立て続けの攻めに男が距離を取ったところで、左手に持っていた拳銃で一発撃つ。
「やるねぇ……!」
男が剣の腹で弾丸を弾いたのと同時にパンドラの箱が落下した。
落下の衝撃で、パンドラの箱が開き、彼女はすかさずあるものを取り出した。
手榴弾。
ピンを抜き、距離を取った男に投げつける。
サイズが小さいため小規模な爆発だが、殺傷能力は高い。


