ずずずーと地面をスライディングし、適当なとこで止まった。
「クロ……、この!」
僕に駆け寄る前に、ティーに剣が襲いかかった。
パンドラの箱を盾がわりにして、防戦に徹する。
「銃遣いも接近戦じゃ不利だねえ」
「黙れ、耳障りだ……!」
足で後退ばかりするティーが苛立っているのが分かった。
あり得ないノンフィクションを見たショックは徐々にとけてきただろう。
「ヴー」
「待ってろ、クロ!」
上手く立ち上がれない僕を見ずにティーは言う。心配されているんだとはよく分かった。
「ほらほら、どうしたの?死んでしまうよ。君の命は有限なのだからさぁ」
攻め続ける剣。
笑うピエロ。
後退するばかりの足。


