土がパラパラと溶けて崩れる。


その中を垣間見て――土に鎌を刺すラスクを見た。


“土涛なる地奏”(ウリエル)。


土を盛り上げて簡易的な要塞を作り上げたのだった。


テレサにとっては絶望的。というのも、ブリュンヒルデのメキドフレイムより火力がある召喚物を彼女は契約していない。


連続して使えばいいかもしれないが、魔力による限定数があるし、ムーサの結界が持たない。


万事休すかと思っている内に、ラスクは鎌と黒翼を戻して。


「はい、降参」


「……、え」


両手をあげたラスクにより、場の空気が一変した。


あまりのことに杖を落としそうになるテレサに、ラスクは微笑む。


「燃料切れ。お腹減って力がでないんだ」