上から下。右から左と、四方からくる片手剣には舌を巻く。


軽さが特徴の片手剣だ。連続攻撃には打ってつけ。


『はあああっ』


大きな横薙ぎは、ラスクの体の鎌ごとぶっ飛ばした。


鎌の防御を越えての威力だ、骨が軋む。


飛ばされた先には校舎――コンクリの壁。このままならば激突するが、ラスクとて馬鹿ではない。


空中で反転した。


背中には今までなかった黒翼を出して。翼のおかげで空中での動作変更ができたのだろう。


背中が壁にではなく、足で壁に着地する。ラスクの足元からひび割れた壁に彼は見向きもせず。


【ミカエル】


蹴りあげ、ブリュンヒルデまで跳ねた。

ウサギかカンガルーのよう。大きく跳ねた身で鎌を奮う。