本当のきもち。

この気持ちとはうらはらにかたむいていく私の体

でも暖かいなにかに包まれた

なつかしい暖かさ

でもその暖かさがどんどんなくなって

ぬるぬるしたものが私の体にまとわりついた

目の前にあるものを自覚するのに時間がかかった

「…お父…さん?」

そこには返事のないお父さんの体があった

ぐったりとするお父さん…ながれでる大量の血

どうにかしなきゃならないのに体が動かない

うまく頭もまわらない

それからどれくらいすぎたのかはわからなかったけど

見知らぬ顔の男性が私に大丈夫かとききにきた

それで呪縛がとかれたように私の体はうごいた

その男性はどうやら救急隊員みたいだ

誰かがよんでくれたのだろう

私は必死に頼んだ

「お父さんを助けて…」

うまくしゃべれないけど何度もいった