「優?」 顔をあげる。 ――――間違えた。 優はもういないじゃん。 (――っ…馬鹿…) 「?」 不思議そうに首を傾げる日向。 何か前より大人びた。 黒いさらさらの髪に色白。 優しい目。 清潔な雰囲気。 イケメンじゃないけど、何か整ってる顔。 本当、どこまで優に似てるの? 「葵?」 「…ごめんごめん!ちょっとこの問題難しくってさ」 「そっか」 日向はニコッて笑って、自分の問題集をやりはじめた。 でも、淋しそうな笑顔だった。 ちょっと気になった。