みんな、笑った。 …笑えた。 「あ、葵ー!!」 ――名前を呼ばれる。 別に、振り向かなくても誰だか分かってしまった。 でも確かめずにはいられない。 ゆっくりと振り向いた。 「ひな…た」 「おはよ!」 ――嬉しいけど嬉しくない。 ああ、そうか。 気まずいのはあたしだけなんだ。 日向は何も知らないのだから。 「…………はよ」 それだけ言って目を逸らした。