朝の登校。 退屈な毎日。 それでもささやかな幸せをはげみに、前を向いて歩いていた。 ただ。 その凛とした姿は、いつも上を向いて歩いていた。 「みづき〜おはよーっ」 後ろから図体のでかい、茶髪の男が走ってくる。 金髪のその人は振り返って笑顔を見せた。 「おはよっ。いい天気だねー」 ああ。 もっと空を見ていたかったんだろうか? いや。 見ていてほしかった。 眩しそうに上を向く彼女と その人に向けた笑顔が 似ていたから。 .