「俺が呼んだらお前ら入って来いよ」


僕らにそれだけ言うと浪ちゃんは教室に入っていった。


浪ちゃんはドアを開けたまま、大きな声で叫んだ。


「生きてるかー!!!」

『生きてるー!!!』

「今日は転校生が来たぞー!!!」

『マジかー!!!!女の子いる!!!??』

「いるわけねーだろーっ!!!男子校だぞー!!!!」

『だよねーっ!!!!』


浪ちゃんとクラスの男の子達の叫び声と、明るく楽しい会話が広がっていった。


話に一区切りがつくと、浪ちゃんはチラッと僕らの方を見た。


「んじゃ呼ぶぞー!!!お前らー入ってこーい!」


僕らは浪ちゃんに呼ばれて教室に入った。


‥教室、意外に広い


僕が教室全体を見回していると、後ろから軽く頭を叩かれた。


「浬音。キョロキョロすんな」

「ごめん、玖音」


僕の頭を叩いたのは玖音だった。