劍冴は僕に銃を差し出す。



「…あと一発、弾が入ってる」

「っ!」

「コレで俺を撃て」



劍冴はゆっくりと起き上がると、僕に銃を握らせた。



「…お前が撃てないなら‥俺も一緒にやってやるよ」

「けん‥ご」

「シナリオは、絶対だ。お前が一番よく分かってるだろ‥」



劍冴は僕の手に自分の手を重ね、僕の額に自分の額を重ねた。



「…劍冴?」

「…………俺、お前の親父マジ嫌いだ」

「‥ごめん」

「…自分の子どもに‥こんなことやらせるなんて……ありえねぇよ」



劍冴はゆっくりと額を離した。



「……最後に…アイツ等に‥会いたかったなぁ…」

「劍冴‥っ」

「…お前にもいるか?家族より大切な仲間‥」

「いるよ……或や‥子猫達」



僕の言葉に、劍冴はニッと笑った。