「ケンカはやめよーね。時間は沢山あるけど、ケンカしてる暇はないよ」


だいクンはさっきと同じ人間だとは思えないほど、真面目な顔をしていた。


僕と玖音は顔を見合わせ、軽くキスをした。


「「仲直りした」」

「…相変わらず、仲いいね」

「「当たり前」」


僕らは仲直りするとき、必ずキスをする。

触れるだけのキス。


どんなにケンカしても、必ず仲直りするのが決まり。

くだらない意地は張らない。


「そろそろ教えてあげなよ、玖音。僕が困る」

「大悟には関係ないだろ」

「関係あるよ。ここは不良校だ。何が起こるか分からないから、浬音にも注意していてもらわないと困る」


だいクンの言葉に、玖音は小さく溜め息をついた。