「大丈夫かぁ?」 「あ、はい。すみません、今日は帰ります」 「そぅかー、気をつけてなぁ」 ニッと笑う柏さんに頭を下げ、僕は目的の場所に向かった。 誰にも言っていない場所。 僕の最後の場所… もうこんなに‥ 時間がないなんて…… 「…悲しいなぁ‥」 僕の小さな呟きは……風の音に、かき消されていった。