お風呂からあがった僕らは、いつもより早いけど寝ることにした。


明日から学校。
初日から遅刻するわけにはいかない。


僕らは『転校生』として、黒駕高校に行く。

これは父さんからの命令。


「…電気消すぞ」

「うん」


玖音は電気を消すと、僕の隣にきた。

僕らはいつものように、手を握る。


僕は優しく握っている玖音の手を少しだけ強く握った。


「おやすみ‥浬音」

「おやすみ‥玖音」


僕らはお互いの唇を重ねた。


少しだけ、触れるだけの優しいキス。


そして僕らは…ゆっくりと、夢の世界に落ちていった。