「送っていただき、ありがとうございました」 玄関の前にたち、ペコリと先生に頭を下げる。 辺りはもう真っ暗になっていた。 玄関についている小さな街灯だけが、私と先生の足元を照らし出している。 そこでふと、「あれ?」と先生が声をあげた。 「家、明かりついてないけど……誰も、いないのか?」 「はい。そうですけど?」 「そうですけどって……」 ムッと、先生が顔をしかめた。