「マドレーヌ、また作ったら俺に頂戴ね」 「………は?」 先生が言った言葉に、思わず間抜けな声を出してしまう私。 だって、頂戴って……。 「マドレーヌ、美味しかった」 「……えっ」 「美加が作ったマドレーヌ、凄く美味しかったから」 少し気分が良くなってきたのか、呼吸がだいぶ落ち着いてきてる。 そしてフニャリと笑顔を見せ、私の手をギュッと掴む。