「………ゔっ」


「ぐぅッ」という奇声を発しながら、ある男の子が突然その場にうずくまる。

その男の子は、先ほど、私のマドレーヌを食べた男の子だった。


え……?


「ゲホッ、なんだこれ……まっず!超まっず!!」


顔を真っ青にして、男の子は思い切り咳き込む。


「おい、大丈夫かよ?」


側にいた男の子が、咳き込んでいる男の子の背中を撫でる。


「大丈夫なわけあるか!これ、マドレーヌなのに苦いぞザラザラするぞつか取りあえずマズい!!」

「……塩川って、料理苦手だったんだな」


そんな男の子たちの会話を聞いて、恭ちゃんは、


「うーん、見た目は良かったんだけど……今度、美加に料理教えてあげようかな」


そんなことを、ブツブツと呟いていた。