教室の中を覗いてみる。


するとクラスメートである男の子たちの中の一人が私のマドレーヌを持っていて、その男の子に返せと恭ちゃんが言っている。

だけど次の瞬間……


「いただきます」


素早くラッピングをほどいた男の子は、パクッと、マドレーヌを口いっぱいに頬張った。


「あああああ!おま、何食べてんだよバカぁぁぁ!!」

「いいだろ別に、減るもんじゃねえし」

「減るわ!つか無くなったわ美加からもらったマドレーヌ!!」

「凪原って本当にあれだよな、塩川のこと―――」

「うるっせぇ!!」


恭ちゃんが、男の子たちの会話を遮る。


塩川のこと……?

私が何なんだろ??