「調理……実習?」 その言葉を聞いて、何で恭ちゃんの瞳がそんなにキラキラしているかが分かる。 恭ちゃんは料理を作るのが好だから、調理実習が嬉しいのだろう。 「さ、行こ行こ!今日はマドレーヌを作るんだって!!」 「わわっ」 グイグイ……と言うよりは、ズルズルと恭ちゃんに体を引きずられて行く私。 そして私は思い出す。 前の調理実習で作った、真っ黒焦げのクッキー。 その前の調理実習で作った、固いプリン。 そう、私は、 料理がまったく、ダメなのだ。