補講。 先生はそう言った。 だから私は、今日、先生に言われたとおり放課後この第一自習室へと来た。 ただ、それだけのコト。 「わかってるよ、んなこと」 「……え?」 「美加は俺に補講って言われたから、今日ここに来た。美加は真面目だからな」 先生の背後にある窓から、強い夕日の光が差し込む。 「それを分かってて、俺は美加に補講だって言った。卑怯だろ、俺?」 淡く、キラキラと、木でできた床をオレンジ色の光が撫でた。