ドンッと、私は先生の体を思い切り押す。 「……っ、先生」 「もう行っちゃうの?」 コテンと首を傾けて、最大限の甘え声。 「帰ります」 机の上にあった自分の教科書とノートをたたみ、横にかけてあった私の鞄に入れる。 そのまま帰ろうと、教室の扉に手をかけたと同時に、 「美加」 ふと、先生が私の名前を呼ぶ。