「私、教科書もノートも持ってきてません」 「俺も俺もー!」 「っつか、なんでイキなり!?」 ブーブーと、辺り一面ブーイングの声につつまれる。 「いやさ、俺、真面目になろうと思って」 ニコリ。 爽やかな笑顔を浮かべ、トンと自分の教科書に手を置く。 真面目になろう? 先生が?? 「じゃあ、授業をはじめます。教科書忘れた人は、ノートをちゃんと書くように!」 そんな先生の言葉で、その日の授業ははじまった。