真剣に、真っ直ぐと、先生の真っ黒な瞳に私がうつる。

諦めない……?


「どういう意味ですか?」

「美加を俺のモノにする」

「無理です」

「じゃあ、美加を俺に惚れさせるってのは?」

「もっと無理です」

「そんなの、やってみなきゃ分かんねえだろ」

「やらなくても分かるコトだってあります」


私は先生が嫌い。

好きになるなんて、そんなこと……


「あり得ません」

「……あり得ない、ねえ?」


グイッ!と、思い切り腕をひかれる。

少しだけ宙に浮いた私の体を、やんわりと先生が包み込んだ。