……頭が、珍しく真っ白になる。 だけど、どこか冷静な自分がいるのも確かで。 「そっか……凪原の」 「仕事に生きると、結婚もせず彼氏も作らず毎日頑張ってますよ」 「まだ教師を続けているのか?」 「ええ。でも俺が緒方先生と森沢のことを話したら、“若いっていいわねぇ”と笑ってました」 そう言った凪原は、表情を一つも変えずに…… 「……緒方先生、もう、いいじゃないですか」 やわらかく、優しい声だった。