ニッコリと、まるでたわいもない世間話しをしているかのような笑顔を浮かべる凪原。 ……そういえば凪原は、話してもないのに俺の過去を知ってた。 まさか、本当に…… 「あ……ね?」 「はい。こういうのは後から言った方が面白いかなーと思って、今まで黙ってました」 そう、凪原は俺に言葉を投げかける。 「……いやでも、名前は凪原じゃなかったぞ」 「ええ。姉が緒方先生と付き合っていた頃、うちの家は苗字は凪原じゃありませんでした。まあ、そこは家庭の事情と言うことで」