「とにかく、そのことは忘れよう。と言うか忘れて下さいお願いします」

「なになにー?何をお願いしてるのかな凪原くんは??」


ピョコッとツインテールの髪を揺らしながら、私と恭ちゃんの間に顔を出したのは花恋ちゃんだ。


「あ、花恋ちゃん」

「も、森沢……何でお前がこの教室にいるんだよ。お前は隣の教室だろ」

「いやぁ、実は四時間目が調理実習でさ。プリン、作りすぎちゃったんだよね。だから美加ちゃんにあげよーと思って!」


「はい!」と差し出された可愛い袋の中には、甘くて美味しそうなプリン。