「俺は言った。塩川に、好きだって」 「でも、違うんだ」と言って、私に顔を近づける。 互いの息が、互いにかかる。 「好き、なんかじゃねえんだよ。俺は、塩川を……」 そこで、何故か先生の言葉が止まる。 先生が口を開く。 愛おしそうな瞳で、私を見つめながら……。 「美加を、愛してる」 今にもキスができてしまいそうな、先生との距離。 だけど、私は…… 「先生」 口から漏れた、低い声。 「私は」 冷たい声。 「先生が大嫌いです」 私はニコッと微笑みながら、先生にハッキリと言った。