「……倉本、先生っ」 机から体を起こし私がそう呟くと、恭ちゃんの表情がスーッと冷めたモノに変わる。 その冷たい視線を、恭ちゃんは倉本先生に向けた。 「何しに来たんですか、倉本先生?」 ゆっくりと、恭ちゃんが先生に問いかける。 「俺はただ、義実に呼ばれて来ただけだ」 「緒方先生はここにはいませんよ。だから俺の邪魔はしないで、さっさと帰って下さい」 恭ちゃんがそう言うと、先生はふいに私の方を向いた。 パチリと、目が合う。 そして……