「ねぇ、緒方先生」 時折見せる大人びた笑顔を浮かべて、花恋ちゃんが声をあげる。 「私は、緒方先生が好きです。愛してます」 落ち着いた、いつもとは違う声のトーン。 「緒方先生が苦しい時、何かに押しつぶされそうな時は言って下さい」 「もり……さわ」 今にも消えてしまいそうな、緒方先生のか細い声。