「あれは二年生にあがったばっかの時だったかなー」と言って、懐かしむような表情を見せる。


「倉本先生がいきなり美加ちゃんと付き合えるように協力頼む!って言ってきてさ。そのかわり、倉本先生は私に緒方先生の写真やらなんやらをちょっくら……ね」


パチンと、花恋ちゃんはいたずらっ子のようにウインクをした。


「……そう言えば倉本先生、私に彼氏や好きな人はいないって知ってた。恭ちゃんのコトも、幼なじみだって知ってたし。あの情報源はまさか」

「私だよ」


ブイッとブイサイン。


「これ『恋愛協力条約』って言うんだけどね。お互いの恋をお互いに応援しよう!って条約。だから倉本先生が美加ちゃんに告白したことも、私、全部知ってたんだ」

「確かその条約、倉本先生が言ってたよーな……」

「とにかく、今からでも遅くない。倉本先生のところに行こ?」

「え、それは……」