「傷つくのは、美加だから」 「なに、言って……」 「もし倉本先生と美加が付き合ったとして、どうなると思う?」 ふと気付くと、窓の外はもう真っ暗になっている。 「もしそのコトが学校にバレたら、責任をとるのは倉本先生だ」 恭ちゃんの言葉が、しっかりと私に刻まれていく。 「緒方先生のように、迷惑だと、言われるかもしれないよ?」 「……わた、し」 「傷つくのは、美加なんだよ?」 優しい声。 優しい言葉。 優しい瞳。 だけど全てが、私の心に突き刺さる。