「き、きき、恭ちゃん!?」 「森沢が、美加が保健室に運ばれるの見たって言って調理室に来て……。それから直ぐに部活終わらせて、もう俺……」 私の首筋に顔をうずめ、恭ちゃんはキュウウッと腕に力を入れる。 「ごめんね、心配かけて」 「何で美加が謝んの。もっと俺に甘えなよ」 「でも……」 「……悔しいんだよ、俺」 急に恭ちゃんの声が、苦しそうな、辛そうな声に変わる。 そして少しだけ私から体を離した恭ちゃんは、真っ直ぐに私を見つめて……。